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2019.8.31

谷智亮の理事ブログ『医師の出口戦略』⑧日本における預貯金・生損保での運用の危うさ

財務戦略 日本における預貯金・生損保での運用の危うさ

 

預貯金(国債)への投資の是非は、

・適正なリターンが得られるか

・投資先は健全か

の二点であるとお話ししました。

 

まず適正なリターンが得られるかどうか検証してみます。

大手メガバンクの1年もの定期預金金利は年0.01%です。

個人向け国債の金利は年0.05%です。

仮に1,000万円をメガバンクに預金したとすると、

受取利息は、1,000万円×0.01%×0.8=800円

国債では、 1,000万円×0.05%×0.8=4,000円

1,000万円を投資(預金)し、もらった利息できる事は、

・銀行では、ラーメン1杯

・国債では、家族でラーメン1杯ずつ

餃子は追加注文できません。

リターン面では、当然投資不適格ですね。

 

次に投資先の健全性を考えてみましょう。

国債の発行元は、日本国です。

銀行も国債を買っているのですから、預金の行きつく先も日本国です。

要は、投資先の健全性というのは、「日本国の健全性」

にほかなりません。

日本国の単年度の財政収支は、

収入(税収)は年間約60兆円で、支出は約100兆円です。

差引40兆円の赤字です。

毎年の赤字が累積しているにも拘らず、こんなことを何十年も続けています。

 

国の債務指標として、

公的債務残高のGDP比比率というものがあります。

国の経済力に対して、どれくらい国債を発行しているか

というようなものです。

ヨーロッパで一番酷いと言われているイタリアはGDP比130%の借金

その他ヨーロッパ主要国は、GDP比50~100%程度。

そして日本はというと、GDP比236%です。

そして、1996年発足した橋本政権以外は、

このような危機的状況に目を向けず、借金をしまくり続けています。

 

何時債務不履行されても不思議ではない国債に、

日本国民の金融資産の多くがつぎ込まれています。

言葉を変えれば、

「国民の金融資産の多くが、国債の担保に取られている」

と言えます。

国債がデフォルトされれば、郵便局・銀行・生損保が吹っ飛び

年金や健保財政も破たん。

その結果、

国民が銀行に預けてあるお金は戻ってこない、

死んでも保険金が貰えない

という寸法です。

とても怖い話ですが、知っている人はとうの昔から知っています。

 

多くの国民のコンセンサスは、

「財政破たんは何れ起こるかもしれない、でも今はまだ大丈夫だろう」

 

「“まだ”は“もう”なり」

ですね。

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