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    その行動力と実力、誠実さ

2022.9.8

元内閣官房副長官の古川貞二郎さんご逝去
その行動力と実力、誠実さ

元内閣官房副長官の古川貞二郎さんがお亡くなりになられました。

 

ご子息の真一さんから、ご体調が優れないことを聞いておりましたが、5日お昼に連絡を頂き、早朝にお亡くなりになられたとうかがいました。
7日に家族葬を行い、後日送る会をいたしますとの事でしたが、とても悲しく残念でなりません。

 

2011年6月16日に、Medi+セミナーでの第一回基調講演に古川先生をお迎えして「リーダーにおける危機管理とは~東日本震災と政治をめぐる問題~」と題しまして満席の会場の中、講演頂きましたのを昨日のように覚えております。
講演内容を振り返り、また著書「霞が関半生記」を手に取り、古川先生の行動力と実力、誠実さに改めて感銘いたしました。

 

講演でお話を頂いた内容ですが、
1.総理官邸3たび勤務
内閣参事官(田中、福田、三木各内閣)
首席内閣参事官(中曽根、竹下、宇野各内閣)
内閣官房副長官(村山、橋本、小渕、森、小泉各内閣)
2.歴代内閣と総理官邸
①近年の総理官邸比重の増大
②総理の決断と責任~言動の重み・ぶれない
③内閣官房長官の重要性
④トップダウンとボトムアップ しっかりとした補佐体制と風とうし
⑤官邸風船論
3.内閣官房副長官(行政出身)の役割
①血流
②補佐に徹する
③判断の物差し 大儀とは何か
④先手先手と時代の流れを読む
⑤知恵を出す ハンセン病控訴断念など
4.災害危機の態様
地震 津波 風水害 大規模火災 山火事等 原発事故 コンビナート事故 重油流出 サリン等 ミサイル 不審船 テロ ハイジャック その他
5.東日本大震災
①基本知識
②今回の被災と対策の特質
③復旧・復興事業
6.政治をめぐる状況
①時代の変化と意識改革 たとえば国際貢献と国際社会の責任ある一員としての責務
②今の日本に欠けていると思われるもの
・日本をどの方向に導くかという明確な意志
・将来の日本国民に対しどのような日本を残すのか、どう責任を果たすのか
・真の政治主導の役割
③政治主導と政治家主導
・事務次官会議廃止と官僚の排除
・官邸機能の弱体化 副長官は政と官をつなぐ要
・専門たる行政官の指示待ち姿勢
・指揮命令と責任の明確化
・情報の一元化、正確、かつ同一内容の発信 信頼性
・情報の共有、具体的な方針の共有の重要性 四辺回路の回復の必要性
④今後の政治の在り方(中長期的課題)
・政と官の役割のルールの確定 本来信頼があれば細かいルールの確立は不要
・与党政治家の国会活動、行政活動、地域活動のルールの確立 いずれも中途半端になる
・小選挙区制の是非の検討と見直し
・国会議員候補者の選びの見直し
7.信条
①逃げない あきらめない 道は開ける
②プラス思考の大切さ
③志は高く 心は廣く 思慮は深く 頭は低く(この世には、人智の及ばないものがあることを知る)

と、とても貴重なお話を伺いました。

 

写真は古川さんを囲んで、TMG中村毅理事長、東海大学山田清志学長、発起人、事務局皆様との笑顔溢れる1枚です。
古川さんのお部屋の掘りごたつで焼酎を飲みながらご指導を頂きましたことを良き思い出に、ご子息をはじめ古川さんにご縁を頂いた方々を大切にしていきたいと思います。

 

ご冥福をお祈りいたします。
「霞が関半生記」

 
小川裕司