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2023.10.16

小川裕司ブログ! 2023年10月16日

9月26日の日経新聞で、Medi+セミナーでも講演頂いた、橋泰先生(国際医療福祉大学教授)が、
日本の医療提供体制での問題点を挙げておりましたので、ポイントをご紹介させていただきます。

「日本の医療提供体制が危機的な状況にある最大の要因は、2004年に始まった新しい臨床研修制度だと
考える。2024年度は団塊の世代が全員75歳を超えサービス需要が急増するタイミングだが、ワーク
ライフバランスを重視する医師が近年急増し、医療の供給能力が急速に先細りする。さらに4月には新し
い働き方改革が始まり、激務の救急、外科系、産科の人手不足は特に深刻で、この機を逃して働き方改革
を先送りすると、数年後に日本の医療提供体制は悲惨な状況に陥る。

働き方改革を乗り切るためにはデジタルトランスフォーメーション(DX)により医療の生産性を上げる
ことや、医師から他職種へのタスク(業務)シフトを進めることの重要性がすでに指摘されているが、
20歳か~39歳の一般外科医の減少率が突出しているなどを鑑みるに、診療報酬改定でも医師が不足する診
療科に医師が集まる改定を進めるべきとし、医師に直接支払うドクターフィーを導入するなど今から大変
な診療科で働く医師に対する金銭的インセンティブ(誘因)を与えるなど働き方改革を契機に医療の生産
性を高める取り組みを早急に進める必要がある。」
♢♢♢
ご存じの方も多いと思いますが、松本晃氏(元J&J代表取締役社長、元カルビーCEO)も、2009年にNPO
法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」が設立され、理事長として早くから警鐘をな
らされていました。
働き方改革はまだ暫くは変わらないので外科医は疲弊すると思います。

今後10年~15年ちょっとすると外科的な治療は減少し、ターゲット化された抗がん剤や再生医療などによる
内科的治療も進み、外科医の在り方も変化していくのだと思います。
DXも画像診断ばかりでなく、遠隔OPEや遠隔ICUも増えてくるとは思います。
カルテに関しては、マイナンバーが微妙なのでどこまで改善できるかによって日本全体の大規模プラット
フォームができてそれに乗っかれるかがポイントになるのでしょう。
多職種シフトは看護師頼みですね。ナースプロテクショナリーや特定行為看護師がどれだけ活躍できるのか
ですが、医師側はまだまだ消極的ではないでしょうか。保険が違う日本でどのように受け入れられていくの
かですね。

ドクターフィーは、米国では医師の技術料を定量的に評価しそれに応じてドクターフィーが設定されています。

このバックボーンにはさっきのプラットフォーム上での患者の声や治療実績などが反映されているからだと
思いますが、日本でのプラットフォームが出来るかが最大のポイントだと思います。

医師も米国のような競争社会に生きることになるのでしょうか。

小川裕司

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