2019.8.17
谷智亮の理事ブログ『医師の出口戦略』⑥複利運用
財務戦略 複利運用
「複利」の対極にあるのが「単利」です。
中学生の頃に、授業で習っているはずです。
単利と複利、理屈では分かっていても、
実務上、どれほど大きな差があるか、分からないですよね。
単利とは、元本に対してのみ利息がつく一方、
複利とは、元本と利息の合計額に対し利息がつきます。
分かりやすくするために、数字でみてみましょう。
元本は1000万円
金利は年5%とします。
10年後、20年後に、元本の1000万円がいくらになっているか。
【単利】
1年後 1050万円
5年後 1250万円
10年後 1500万円
20年後 2000万円
30年後 2500万円
40年後 3000万円
【複利】
1年後 1050万円
5年後 1270万円
10年後 1620万円
20年後 2650万円
30年後 4320万円
40年後 7030万円
10年後では、さほど大きな差ではありませんが、
20年後では30%の差が生じます。
30年後には、その差が70%に広がり、
40年後には2.3倍もの大きな差となります。
その後は、より加速度的に差異が広がって行きます。
財務戦略の冒頭で、
1日も早く財務戦略を構築しなければならないと言ったのは、
「単利」と「複利」の差が極めて大きいからに他なりません。
単利と複利の大きな差異を認識しないまま投資をするということは、
大きな果実を取り損なうことを意味しています。
投資信託の世界では、
「毎月分配型」というものが一番人気を集めています。
これは、投資をした果実が投資家の手元に毎月分配されるものです。
毎月分配されるということは、利息を毎月引き出しますから、
「単利」運用の典型例ということになります。
長期的に、自分の財産を累積的に増やせない商品ですので、
資産構築には全く適さない商品です。
こんなものが人気を得ているというのですから、
開いた口がふさがりません。
60歳を過ぎて、それに気づいても万事休すです。