2019.8.10
谷智亮の理事ブログ『医師の出口戦略』⑤開業後のキャッシュフロー ケーススタディー
財務戦略 開業後のキャッシュフロー ケーススタディー
開業後のあるドクターのキャッシュフローを見てみましょう。
診療所経営に成功し、毎年4,000万円の利益を得ていると仮定します。
その他の条件は次の通り
・開業時の借入金は6,000万円
・お子様2人 私立中学・高校に通っている
・マンションを保有し、ローンを組んでいる
・車両を保有し、駐車場は借りている
クリニックからの事業利益 4,000万円
クリニック減価償却費 +200万円
所得税・住民税 -1,400万円
借入金の返済 -600万円
住宅ローン返済 -360万円
車両保有維持費 -150万円
生命保険・健保年金掛け金 -120万円
お子様二人の学費 -200万円
生活費・余興費 -360万円
差引 余剰金 1,000万円
4,000万円の事業利益がありながら、手元に残った資金は年間1,000万円
少し悲しくなってきます。
せめて、借入金の返済がなければ、
手元に残る資金は、1,000万円+600万円=1,600万円になります。
開業後しばらくは、貯蓄する余裕はないと言ったのは、
このような事情に因ります。
診療所経営に成功すれば、個人事業を医療法人化することにより、
所得税・住民税の金額を、年間数百万円減らす事が出来ます。
事が成就した後、医療法人化を積極的に勧める所以はここにあります。
開業後5年~10年で、
クリニックの事業利益が5,000万円を超えることも、
特に珍しいことではありません。
その場合、手元に残る資金は、
先ほどの計算例に比し、大きく増えることになります。